天使とケサランパサランの靴屋
 温かい心を取り戻したコーリャの姿を見て、そばかすの天使の心はあふれる歓喜で満たされました。

 そして「そうだ」と何かを思い出したように、彼女は自らの背後に隠し持っていた「あるもの」を、彼の足元へそっと差し出します。

 暗闇の中に優しく置かれたもの――それは、まるで星屑を編み込んだかのように淡く輝く、一足の靴でした。

 コーリャは目を見張り、驚きに声を震わせながら彼女に問いかけます。

「これを……わしに?」

 そばかすの天使は少し恥ずかしそうに頬を染めながらも、自らの大仕事を成し遂げた誇らしげな笑みを浮かべ、深く、嬉しそうに頷きました。

 よく見ればその靴は、まばゆい光を放ってはいるものの、左右のバランスはどこか歪で、お世辞にも整っているとは言えません。

 靴職人である彼の目から見ても、あちこちに不器用な縫い目が残る、不格好な出来栄えでした。

 それでも、長年靴職人として生きてきたコーリャには、その一針一針に込められた気の遠くなるような時間と、不器用なまでに真っ直ぐな愛情が、手に取るように分かりました。

 靴に込められた本当の『意味』を知っているからこそ、届けられたその想いが嬉しくて、愛おしくて、溢れる涙を止めることができません。

 コーリャは天使に優しく支えられながら、その光る靴へとゆっくり足を通しました。

 不格好なはずの靴は、まるで誂えたかのように彼の足を優しく包み込み、失われていた歩む力を与えてくれます。

 もう、彼の足取りに迷いはありませんでした。

 二人はしっかりと寄り添い合い、光あふれる未来へと続く最後の扉を、力強く一歩踏み出していくのでした。
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