リフォーム営業マンの小さなドキドキ短編集

コンビニ②

現場と言っても、いろいろある。

1日で終わる仕事もあれば、空き家のフルリフォームなど、2〜3ヶ月かかる現場もある。

長期の現場は、だんだんとルーティンが決まってくる。

その起点になるのが、コンビニだ。

まず現場が決まる。

そうなると、必ず近くのコンビニを探す。

そこを、携わってくれる職人さんたちとの集合場所にする。

一服のお茶を買ったり、お昼の拠点にしたり。

その日も俺は、現場の契約を終え、拠点に決めたコンビニへ向かった。

午前10時30分頃。

レジには、30代半ばくらいだろうか。

感じの良い女性がいた。

契約までに何度か通っていたそのコンビニでは、午前中ならいつもその女性が接客してくれた。

買うものも、だんだん決まってくる。

早い時間帯は、電子タバコの87番と缶コーヒー。

昼間は、職人さんたちのお茶。

お昼は、お弁当かカップラーメン。

そんなルーティンになっていった。

現場も始まり、もう何回……いや、何十回通っているだろう。

そんなある日の朝だった。

いつものように、その女性がレジにいた。

缶コーヒーをレジに置き、

「タバコ……」

と言おうとした、その時だった。

女性は87番から、俺のタバコを取った。

「えっ?」

覚えてくれてるって……すごっ。

プロの仕事を見せられた。

次の日も。

その次の日も。

なんだか、常連になったみたいで嬉しかった。

接客って、こういうことなんだよな。

素直に、学びすら感じた。

それから少しずつ、一言、二言と会話を交わすようになっていった。
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