僕たちの余命は、一週間で一生分
女子学生が言葉を紡ぎきるより早く、経済学部棟にはおよそ似つかわしくない、ハリのある大声が響き渡った


ドタドタと激しい足音を立てて走ってきたのは、芸術学部棟にいるはずの陽菜だった


彼女は俺と女子学生たちの間に文字通り割って入ると、両手を広げて俺を背中に隠すように立ち塞がった


ショートカットの髪が激しく揺れて、その頬はぷくーっと膨らんでいる


「は、陽菜!? なんでここに……」


「朔夜のバカ! 私がちょっと油絵の具の片付けで遅くなったからって、目を離した隙に他の女の子とイチャイチャするなんて不潔です! 浮気です!」


「いや、ただ課題を教えてただけで……」


「言い訳は聞きません! 朔夜は私のなんだからねっ!」


陽菜は周りの学生たちの視線なんて1ミリも気にすることなく、俺の右腕をこれでもかと強く抱きしめてきた


彼女の柔らかい感触が腕に伝わってきて、俺の顔が一気にカッと熱くなる


周囲の女子学生たちは、突如現れた芸術学部の有名人、しかもコンクール特賞受賞者の猛烈な独占欲の爆発に圧倒され、


「あ、じゃ、じゃあ私たちはこれで……!」とクモの子を散らすように逃げていってしまった。
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