僕たちの余命は、一週間で一生分
「……行っちゃったぞ。陽菜、腕、きついって」


「離しません! 朔夜が他の女の子に優しくするから悪いんだもん!」


陽菜は俺の腕に顔をすり寄せながら、ふん、と鼻を鳴らした


彼女の嫉妬度は完全にMAXを振り切っていた。


「芸術学部の方でもさ、朔夜が最近カッコよくなったって噂になってるんだからね。私の知らないところでファンクラブとかできたらどうするの!?」


「できるわけないだろ……。俺には陽菜しか見えてないよ」


「え……?」


呆れ半分、本音半分でそう告げると、陽菜の動きがピタッと止まった


彼女は顔を真っ赤に染め、大きな瞳をパチパチと瞬かせながら、下から俺の顔をじっと見つめてくる。


「も、もう一回言って……?」


「言わない。ほら、学食行くんだろ? お腹空いた」


「ずるい! 恥ずかしがって誤魔化さないでよ、朔夜のいじわる!」


今度は照れ隠しで怒り出した陽菜の後ろ髪を軽く引っ張りながら、俺は歩き出した


腕に絡みついた彼女の体温が心地よくて、俺の口元は自然と緩んでしまう


「あーあ、せっかく経済学部まで迎えに来てあげたのに。ご褒美にキスしてくれないと、お昼ご飯の唐揚げ半分奪っちゃうからね!」


「学食の真ん中で何言ってるんだよ、お前は……」


キャンパス中の注目を浴びながら、俺たちの賑やかで愛おしい日常はどこまでも続いていく


生きることが面倒だと言っていた過去の自分が嘘のように、俺は今、この騒がしくて甘い時間を心の底から愛していた。







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