沈黙のシークレット・コード

第4話:近づく記念日と、高鳴る鼓動

夏が終わり、秋風が吹く頃。



カレンダーを確認した夏音の心臓は、ドクンと大きく跳ね上がった。



(来週……、付き合ってちょうど1年だ)



記念日。去年の告白された日のこと、初めて手を繋いだときの緊張、そして今日までのたくさんの秘密の合図。すべてが宝物だった。



何か特別なことをしたい。サプライズで驚かせたい。



授業中、夏音は教科書の陰でスマホを握りしめ、メッセージアプリを開いた。



相手は当然、高田翔太郎。



画面に向かって、夏音は心の中で指1本を立てる。 ――愛してる。



そして、文字を打ち込む。 『1年記念日、何したい?』



早く送りたい。だけど、今は授業中だ。先生の目が黒板に向いている隙を狙って、送信ボタンに指を伸ばす。 ――3本(頑張れ!)。



自分に気合を入れ、夏音はメッセージを送信した。



画面に浮かんだその文字は、二人のこれまでの軌跡そのものだった。

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