沈黙のシークレット・コード

第5話:不意打ちの放課後



その日の放課後、翔太郎はサッカー部の男子たちと一緒に教室に残って、週末の試合について盛り上がっていた。



「お前、シュートのとき絶対利き足意識しすぎだろ」



「うるせえよ!」



ワイワイと賑やかな空気が漂う中、翔太郎のスマホが机の上で「ピコン」と軽快な音を立てて光った。



翔太郎は「ちょっと待て」と友達に手を上げ、何気なくスマホの画面に目を落とした。



ちょうどそのとき、教室のドアから入ってきた夏音と視線がバッティングする。



夏音はビクッと体をこわばらせた。 ――ほっぺを4回トントン(バレそう!)。



「え?」



翔太郎が画面を見たまま、動きを止めた。



通知のプレビュー画面に、残酷なほどハッキリと表示されていた文字。



『1年記念日、何したい?』



送信者は「夏音」。



「おっ?」



翔太郎の隣にいた男子の一人が、ニヤニヤしながら覗き込んだ。



「なんだよ翔太郎、お前、『夏音』って……あの伊原と連絡取ってんの? しかも『1年記念日』ってなんだよ! お前ら付き合ってんのか!?」



「っ……!」



教室の空気が一瞬で凍りついた(ように夏音には感じられた)。



翔太郎の顔が真っ赤になり、顔を上げた視線の先で、夏音は腕を自分でつかむ(嫉妬、そして絶望)。



いや、嫉妬ではなく、今回は自分たちが追いつめられた焦りだった。



「ちょ、お前、勝手に見るなよ!」




翔太郎が慌ててスマホを裏返したが、時すでに遅しだった。
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