沈黙のシークレット・コード
第6話:秘密の終わり、ふたりの始まり
「いーじゃんかよ! いつからだよ!」
男子たちの冷やかしと歓声が教室中に響き渡る。
顔を真っ赤にした翔太郎は、たまらず席を立ち、周りの友達を「うるせえ、お前ら先帰ってろ!」と半ば無理やり教室から追い出した。
がやがやとした喧騒が去り、静けさが戻った教室。
そこには、ポツンと取り残されたように立ち尽くす翔太郎と、ドアの近くで青ざめている夏音がいた。
「……ごめん、夏音」
翔太郎が申し訳なさそうに頭をかきながら、トボトボと近づいてくる。
夏音は耳たぶを触った。 ――ゴメン。私がいきなりLINEなんて送るから……。
「ううん、私こそ……。あんなの送っちゃって、ごめんね。バレちゃったね、2人だけのひみつ……」
声が少し震える。せっかく半年間、誰にも気づかれないように守ってきた秘密だったのに。
これからは周りにからかわれるかもしれない。気まずくなるかもしれない。
そんな不安が頭をよぎった。
しかし、翔太郎は夏音の目の前まで歩いてくると、ふっと力を抜いて優しく笑った。
そして、まっすぐに夏音を見つめながら、自分の胸をトントンと2回たたく。 ――私は貴方の味方! 信じてるよ。
「え……?」
「隠すのは確かに面倒くさくなるかもな。でもさ……」
翔太郎は照れくさそうに、でもハッキリと言った。
「もう隠さなくていいなら、それはそれで、堂々と夏音の隣にいられるってことだろ」
夏音の胸の奥で、カチリと音がして、不安がスーッと消えていった。
彼は指をクロスさせる。 ――幸せ。
夏音は涙が出そうになりながらも、両手の人差し指で自分の口角を精一杯あげた。 ――あなたのその笑顔が好き。
「で、さっきのメッセージの答えだけどさ」
翔太郎が少し意地悪く笑う。
「1年記念日、何したい?」
夏音は少しだけ胸を張り、彼の服の裾をちょっと引っ張った。 ――こっち向いて!
「2人で、どこか遠くに行きたい。……もう、隠さなくていい場所へ」
「了解」
翔太郎は少し照れくさそうに、だけど誇らしげに手のひらを見せた。 ――また明日!
いや、明日からは、手を繋いで一緒に帰る「明日」だ。
2人だけの秘密は終わったけれど、それは二人の新しい物語の、本当の始まりだった。
男子たちの冷やかしと歓声が教室中に響き渡る。
顔を真っ赤にした翔太郎は、たまらず席を立ち、周りの友達を「うるせえ、お前ら先帰ってろ!」と半ば無理やり教室から追い出した。
がやがやとした喧騒が去り、静けさが戻った教室。
そこには、ポツンと取り残されたように立ち尽くす翔太郎と、ドアの近くで青ざめている夏音がいた。
「……ごめん、夏音」
翔太郎が申し訳なさそうに頭をかきながら、トボトボと近づいてくる。
夏音は耳たぶを触った。 ――ゴメン。私がいきなりLINEなんて送るから……。
「ううん、私こそ……。あんなの送っちゃって、ごめんね。バレちゃったね、2人だけのひみつ……」
声が少し震える。せっかく半年間、誰にも気づかれないように守ってきた秘密だったのに。
これからは周りにからかわれるかもしれない。気まずくなるかもしれない。
そんな不安が頭をよぎった。
しかし、翔太郎は夏音の目の前まで歩いてくると、ふっと力を抜いて優しく笑った。
そして、まっすぐに夏音を見つめながら、自分の胸をトントンと2回たたく。 ――私は貴方の味方! 信じてるよ。
「え……?」
「隠すのは確かに面倒くさくなるかもな。でもさ……」
翔太郎は照れくさそうに、でもハッキリと言った。
「もう隠さなくていいなら、それはそれで、堂々と夏音の隣にいられるってことだろ」
夏音の胸の奥で、カチリと音がして、不安がスーッと消えていった。
彼は指をクロスさせる。 ――幸せ。
夏音は涙が出そうになりながらも、両手の人差し指で自分の口角を精一杯あげた。 ――あなたのその笑顔が好き。
「で、さっきのメッセージの答えだけどさ」
翔太郎が少し意地悪く笑う。
「1年記念日、何したい?」
夏音は少しだけ胸を張り、彼の服の裾をちょっと引っ張った。 ――こっち向いて!
「2人で、どこか遠くに行きたい。……もう、隠さなくていい場所へ」
「了解」
翔太郎は少し照れくさそうに、だけど誇らしげに手のひらを見せた。 ――また明日!
いや、明日からは、手を繋いで一緒に帰る「明日」だ。
2人だけの秘密は終わったけれど、それは二人の新しい物語の、本当の始まりだった。