隣の席の佐竹くんには…

第9章 罪悪感に落ちる

……やってしまった。

頭ではわかっていたのに。
余計なこと言わないようにって決めたばかりだったのに。

屋上で一人、あああーー!と、頭を抱えて唸った。

なぜ、冷静になれなかったんだ、と悔やんでももう遅い。

傷ついていたのか、怒っていたのか、それすらもわからないまま逃げてきてしまった。

「…謝れる顔、あるかな…」

フェンスの網目を両手でギュッと掴み、そこにおでこを思いきりぶつけた。


しばらく動けなかった。

風が吹く。

それだけだった。

怒る気力も、言い訳を考える気力も、どこかへ消えてしまった。


こんな自分の口も制御できない女の顔なんて、見たくないだろうな。

きっと“辛い過去を甦らせる女”って要注意人物に認定されたに違いない。


「もう、次の席替えまで学校休みたい…」

独り言をこぼしながら、屋上からの景色を遠い目で見つめた。


時折吹く風が落ち葉を校庭でハラハラと踊らせている。
そんな光景をぼんやりと眺める。

ふと、自分の髪に落ち葉がついていた時のシーンが脳裏をよぎる。

「っ…」

佐竹君が触れた感触を思い出して熱くなる。

これから初めての恋を楽しんでいこうって思ってたのに。


……はぁ。

私の恋…落ち葉みたいに散ったのかも…。


ひっそりと苦笑してたら、ドアが開く音がした。
< 103 / 280 >

この作品をシェア

pagetop