隣の席の佐竹くんには…
学校に行くまでの道のりは、ドキドキしていたけど穏やかだった。

これから、少しずつ佐竹君と仲良くなれたら良いなという思いで校門をくぐった。

少しすると、

「え、あの人誰?」
「芸能人…?」

隣に歩いている佐竹君が注目され始めた。

佐竹君をジロジロと見て、ヒソヒソ声で話されると、次第に彼の顔色が悪くなってきた。

「思い切って変えすぎたのかな…?さっき、“芸人”って聞こえた気がする」

それは完全に聞き間違い。

「佐竹君、自信持って。大丈夫だから」

「梅沢さんに言われると心強いな。手厚い保証ありがとう」

保険のCMみたいなこと言うな。


教室のドアの前に辿り着くと、佐竹君は一度深呼吸した。

彼からしたら、今日から新しい学校生活がスタートするようなものだ。

「手厚い保証があるから大丈夫」と、佐竹君に声掛けする。

こんなに変わったんだ。

周りの人たちに本当の佐竹君の良さが伝わっていくから。

そんな思いを込めて、ポンと背中を軽く押してあげた。


ガラガラー…


ドアを開けると案の定、佐竹君はクラスの皆に注目された。

次第に、皆の話声はザワザワとした声に変わる。

「ね、ねぇ…梅沢さんの隣の人…誰?転校生?」

ようやくして、クラスで一番派手な木内さんが顔を赤らめながら聞いてきた。

「佐竹君だよ」

「…おはよう!」

緊張のせいか、無駄に声を張り上げた佐竹君。

一瞬にしてしんと静まり返るクラスメイト。

フリーズ状態。

それが解かれたのは…



「「「えええええええええぇえぇーーーー!!!!」」」



驚きの声がクラス中に響いた時だった。

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