隣の席の佐竹くんには…

気づいた時には、私はクラスの女子たちに廊下の方へおもいっきり突き出されていた。

(痛ったぁ…)

佐竹君はというと、あっという間に女子たちに囲まれている。

「佐竹くぅーーーん!どうしちゃったのぉ~!」

「その髪型ちょーいいじゃん!」

「ねぇねぇ~こっちにも顔向けてぇ~!」


……は?

あなたたち、どうしちゃったの?
なに、その甘ったるい声。

佐竹君に対する態度の変わりよう…まるでオセロをひっくり返したみたいに違うじゃないか。

佐竹君は、周りを取り巻く黄色い声によって体ごと一緒に教室の中へと消えていってしまった。

そんな光景をポカンと口を開けて見ているところへ、

「おはよー!」

七恵が元気よく登校してきた。

「佐竹君とはちゃんと話せたかな~ぁ?」

ニマッとした笑みをこぼしながらいう七恵にハッとする。

「公園に佐竹君が来ることわかってたんだ?」

「事前にわかってて構えてるよりはいいかなーと思って。それに、学校だと落ち着いて話せなくなるかもってライト君が言ってて…」

そこまで言って七恵は、女子の大群に目を向ける。

「なるほど。こうなることをわかってたからかぁ…」

さすが、佐竹君のことをわかってるだけある。

確かに、この状況だとちゃんと話すことができなかったかもしれない。


佐竹君と話す機会を作ってくれた応援団二人には感謝しないとね。
< 116 / 283 >

この作品をシェア

pagetop