隣の席の佐竹くんには…
「てか、佐竹君のビジュの高さすごいね!ビックリなんだけど!!もしかして梅、知ってたの?」

「し、知らないよ。私だって変貌ぶりにビックリしたんだから…」

チラリと佐竹君に目をやると、彼は席へ着いても、未だ女子たちに囲まれていた。

よく見たら、別のクラスの女子たちもいるではないか。

女子たちの勢いに圧されて、佐竹君は何もできないでいる。

そりゃそうか。

突然、みんなの態度が変わったんだ。
戸惑うのも無理はない。


あーあ…。

私の席、占領されてて座れないや。

みんなが寄り付きもしなかったエリアだったのにね。


「佐竹君、髪サラサラじゃーん」

「瞳の色、茶色がかってて良いねー」

佐竹君のことを観察してるであろう声が聞こえてくる。


……なんだろう。
すっごいモヤっとする。


外見を変えたら、きっと悪かったイメージは消えるはず。

みんなに本当の良さを知ってもらえるはず。
そう思ってたし、それを望んでいた。


なのに…

なんでこんなにも気持ちが複雑になるんだろう。


「梅さん、ヤキモチやいてますね」

そう言って七恵が、差し指で眉間をツンと指してきた。

どうやらしわが寄っていたらしい。

「ヤキモチ…」

チラリと佐竹君を見る。

ドクターフィッシュのように群がる女子たちに囲まれて、困ったように笑っている。

……なんて厄介な感情なんだ。

「この調子だとライバルがいっぱい増えそうだね。梅、頑張れー」

七恵の表情はとても楽しそう。

だったが…

「うわっ。やっぱり予想した通りになってんな」

背後から聞こえてきた声に、七恵の頬が赤くなった。

七恵と一緒に振り返ると、思わず目を見開いた。



「「…えっ…!」」



驚きの声が重なった。
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