隣の席の佐竹くんには…
授業開始のチャイムギリギリで佐竹君は戻ってきた。

席に着くと、机にうなだれた。

「はぁ…」

まだニ時間目なのに、相当疲れてる。

「おつかれ。モテるのって辛いね」

「これ、モテてるっていうの?」

「あんなに女の子たちに人気なんだからそうでしょ?」

見ているこっちは、正直あまり面白くないけど。

「…嬉しくない」

佐竹君は、拗ねるように言った。

あ、なんか可愛い。


…って。

佐竹君に“可愛い”は禁句だった。

心の中だけで済ませておいて良かった……。


先ほどの佐竹君の一言に、目の前の席の杉本君が反応してきた。

「嬉しくないって、それマジで言ってんの?オレからしたら贅沢なことだぞ、それ」

教科書で顔を隠して、声を最小限に抑えて言う。

「杉本は贅沢したいの?」

杉本君は特徴である垂れ目をさらにたれ下げた。

「そりゃ~したいよ!カワイイ女に囲まれた人生送れたらどんだけ幸せなことか」

変態みたいな顔した杉本君は何を考えてるんだろうか。

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