隣の席の佐竹くんには…
「はぁ…」
当日、雨でも降ってくれないかな。
「梅~。ため息吐くのこれで5回目。そんなに嫌?」
「だって、たった一回ヒット打った経験があるからって、なんでレギュラーにされちゃうの?」
「学校行事なんだし気楽にやればいいんだってば~」
今は体育の時間。
球技大会のために、キャッチボールの練習中。
七恵が軽くボールを投げる。
ボールをキャッチしようとグローブを構えるけど、かすりもせず、頭の上を通り過ぎていく。
さっきからこの繰り返し。
…やっぱムリでしょう。
補欠でよかったのに…
本日6度目のため息をついてから、キャッチし損ねたボールを拾いに向かう。
えっと…
ボールは…
見回すと、ボールは渡り廊下の近くまで転がっていた。
ちょうどその時、渡り廊下を生徒たちが歩いてきて、
その中の1人とパチリと目が合った。
「…あ。あなたは…」
「……あっ」
剣道部の…
名前はたしか…松野さん。
制服姿だと、また印象が違う。
可愛らしい子だ。