隣の席の佐竹くんには…

「…この前は、邪魔しちゃってごめんね」

「まぁ、大丈夫です。毎回のことで慣れているので」

…なんだろう。

なんか、いちいち引っかかる言い方するんだよな、この子……

苦手。

すると、松野さんが無言でジッと見つめてくる。

なに?
なんで無言なの?

「えっと…なに?」

視線に耐えきれなくなって思わず聞くと、松野さんは淡々とした口調で言う。

「佐竹さんとは親しいのですか?」

「へっ?」

思わぬ質問に、気の抜けた声を出してしまった。

「あ、いえ…佐竹さんが私以外の異性の方と普通に話されているのを初めて見たものですから」

“私以外”と“普通に”をやたら強調して言う松野さん。

「佐竹君とは隣の席だからよく話しはしてるけど…」

こちらも少しだけ“よく話してる”を強調してみる。

精一杯の対抗。


…だけど、思い返すと松野さんに対する佐竹君の態度は普通だった。

部活仲間だから?

佐竹君にとって松野さんはどんな存在なんだろう…?



……ダメ。考えるのはやめよう。
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