隣の席の佐竹くんには…
七恵を待つために図書室へと向かう。

扉を開けた時―…

ドンッ―!

「きゃっ…!」
「っ…!」

突然、勢いよく女の子と出会いがしらにぶつかってしまった。

目には涙がうっすらと溜まっていた。

女の子は「ごめんなさい…!」と言って、逃げるようにそのまま走り去っていった。

どうしたんだろう…?

走り去った女の子から図書室内へ視線を戻すと―…

「…えっ」
「あ、梅沢さん…」

少し複雑そうな表情を浮かべた佐竹君が立っていた。

「どうしたの?ライトでも待ってる―…」

そこまで言いかけて、気がついた。

視線を図書室の扉のほうへ戻す。

さっき泣いてた子…
もしかして…

再び視線を佐竹君に戻すと、急に気まずくなってきた。

佐竹君に会えたことは嬉しいけど、このタイミングじゃなかった。

一瞬、静まり返った。


「……タイミング悪い女でごめんね…」

どうにか空気変えたくて、出た言葉がこれ。

空気を変えるどころか、余計に重くしちゃってる。

気まずさが増してしまった…。

でも、佐竹君は、はぁー…と長くため息をつくと、

「緊張したぁー…」

気が抜けたようにその場にしゃがみ込んだ。


え…
緊張したって…

ドクンと心臓が跳ねた。


「断るのにも、緊張ってするんだなぁ…」

…あ。

そっちの意味。

あの子には申し訳ないけど、少しホッとしてしまった自分がいる。
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