隣の席の佐竹くんには…
…佐竹君と二人きりになってしまった。
さっきより、ドキドキが一気に強くなる。
「桜井さんにちょっと誤解させちゃったかも…」
「え?」と、佐竹君の言葉に小首を傾げる。
「ライトのヤツ寝不足みたいで、試合中に集中力切れちゃってさ。頭にボールぶつけてたから、寝かせてきただけなんだよね」
「そうなんだ。七恵のあの様子だと、ライトが重症だと思ってるかも…」
「だよね…」
佐竹君は困ったように笑った。
少しだけ二人の間に沈黙が流れる。
「…あのさ、桜井さんてさ、もしかしてライトのこと…」
そこまで言って佐竹君がチラッと視線を送ってくる。
なにか言いたげな、その視線の意味に気づいて、思わず目を見開いた。
「え…もしかして…」
“気づいてる?“の意味を込めて視線で会話する。
その意味を汲み取ってくれたらしく、佐竹君は「やっぱりそうなんだ?」と笑った。
「ライトのことであんなに反応しちゃってるんだもんね。バレバレだよね」
「ははは。誤解を解いてこようと思ったけど、大丈夫そうかな」
「大丈夫だよ」
「二人がいい感じになってたら邪魔になるだけだしな」
「うん。……―ん?」
二人が?
その言い方だと…
まるで…
脳内で答えが定まらないでいると、
「そういうことだから。内緒ね」
そう言って佐竹君は、人差し指を口元に当て内緒のポーズを送ってきた。
その仕草にギュッと胸を掴まれる。
いちいち、ときめいちゃうからやめてほしい。