隣の席の佐竹くんには…
平常心を意識する。
…でも、そっか。
ライトも七恵のことが…
あの二人が両思い、かぁ…。
今度は胸のあたりがワクワクしてきた。
「二人、今日でなにか発展あるかなぁ?」
「どうかな?ライト、結構、慎重派だからなぁ…」
「そうなの?七恵も意外と慎重派かも。あ、でも、時々口滑らすことあるから、うっかり伝えちゃうパターンになるかも」
「なかなか発展しなそうだったら、さりげなくライトに圧かけておくよ」
「ふふ、その時はお願い。七恵、両思いって知ったら喜ぶだろうなぁ」
ふふふふ、と笑いが出てしまう。
七恵の恋が上手くいきそうで、すごく嬉しい。
両思いってわかってる状態で、二人の恋の行方を見守るのは、ちょっとむず痒いけど。
「梅沢さん、ウズウズしてる?なんか嬉しそう」
「だって、友達の恋が実りかけてるんだもん。嬉しいよ。早くくっついてほしいな」
「はは。だね」
「でも、ライトにも七恵の気持ちは内緒ね。二人には自然とくっついてほしいから」
そう言って、先ほどの佐竹君と同じように、人差し指を口元に当て内緒のポーズを返してみせた。
「っ…」
佐竹はわずかに息を呑む。
「……梅沢さ」
「佐竹さん!」
突然、背後から佐竹君を呼ぶ声がした。
佐竹君と同時に振り返る。
視線の先には、ニッコリと微笑む松野さんが、こっちに向かって歩いてきた。
その隣には、大きく膨らんだ袋を抱えた茶髪の男子が歩いている。
二人は同じデザインのクラスTシャツを着てることからクラスが一緒のようだ。