隣の席の佐竹くんには…
「なぁ」

そう言って、隣の男子の肩をガシッと掴む。

どす黒いオーラを纏ったような表情を向けると、男子はギョッとした。

「な、なに?」

「お前らどこ見てんだよ。見るなら試合をちゃんと観ろよ」

「え、えぇー…でも、これは男のサガっていうか、仕方なくねー?」

ヘラヘラと言い訳する男子に、黒く渦巻くなにかが体中に駆け巡った。

「これでお前の目元を塞ぐ!」

オレは無意識に、男子の首に巻かれたタオルを剥ぎ取っていた。

「え!?わっ、やめろって!……イタタタ!縛るの強いって!!」

豹変したオレを、ライトが止めに入った。

「ミツやめろ!こいつの頭が割れる!」

「割れるくらいがちょうどいいだろ」

「いや、怖いって!」

ライトに引き剥がされると、男子たちはそそくさと逃げていってしまった。

「暴走してどーした?」

「あいつら、試合じゃなくて、女子たちの胸を観察してたから」

その言葉にライトはピクリと反応した。

「……止めて悪い。あのままお前に任せればよかった」

「だろ?」

ああいう男子がいることに、不安が募る。


(あんな目で、見られたくない…)

誰にも。


……って、勝手すぎるな、自分。
< 174 / 307 >

この作品をシェア

pagetop