隣の席の佐竹くんには…
「てか、あいつなに?すげー梅沢に懐いてたな」

楽しげに言うライトに、空笑い。

「はは…懐いてたねー…」
「梅沢なら、あいつのこと手懐けられそうだな」

七恵と同じこと言ってるんだけど…。

そんな中、佐竹君は真面目な顔を私に向ける。

「梅沢さん…土屋のこと手懐けたいと思ってる?」

「思ってないよ」

なんてことを聞くんだ、この人は。

ドッと笑いが起こる中、なぜか佐竹君だけはホッとしたような反応を見せた。


『これから得点を集計します。それまで生徒の皆さんは、体育館でクラスごとに待機していてください。繰り返しますー…』

校内放送が流れ、生徒たちが移動を始める。

「私、ちょっと汗拭いてくるね。梅はトイレ行く?」
「ううん。待ってるよ」
「オッケー」

七恵を見送って整列する中、佐竹君の後ろ姿に視線を向ける。

…さっきの佐竹君の反応…なに?

なんとなく不安そうな感じにも見えたような気もするんだけど…

もしかして…本当に手懐けられそうに見えたとか?

やだな。

佐竹君の中でどんなイメージ持たれてるんだろう…。
なんか、ちょっと不安になってきた…。

人差し指で両頬をグイッとあげてみる。

(もう少し上手く笑えるようになれたらなぁ…)

今度、七恵にメイク教えてもらおう。

(ちゃんと…伝えられるかな…)

ふと、胸の奥がざわついた。
< 181 / 307 >

この作品をシェア

pagetop