隣の席の佐竹くんには…
♦︎佐竹side♦︎



『ミャーちゃーーーーーん!』

土屋に呼ばれた時、梅沢さんは手を振りかえしていた。

その光景が、頭から離れなくてずっとモヤモヤしている。

昨日会ったばかりのやつに、なんで梅沢さんは…。


…いや。

名前呼ばれれば、誰でも反応はするよな。

でも、ミャーちゃんて…距離縮めすぎだろ。

……ダメだ。
オレ…焦ってるな…。

人の言葉に柔軟に対応できそうだし、自分とは真逆の土屋。


『オレ、ミャーちゃんにマジになろうかなって思ってて』

あの時の土屋の言葉が、頭から離れない。

なんで、あの時なにも言えなかったんだよ…。

情けなくて、イライラが募る。

「はぁ…」

「どーした?」

大きいため息に、ライトが首を傾げた。

そこへ、

「ヤベーヤベー負傷しちまったぜー!」

杉本が元気そうに列のほうへ歩いてきた。

右鼻にはティッシュが詰め込まれている。

「杉本どーしたの?ぶつけた?」

オレの問いに、杉本は得意げに言う。

「いやさ、さっきクシャミしたら鼻血放出されてさ。これがなかなか止まんねーのよ」

「負傷って言い方が大袈裟だな…」

呆れ顔のライト。

「また変なことでも考えてたの?」

「失礼だなー、佐竹は」

ははは!と、気にするそぶりもなく笑う杉本。

「あ、そうそう。さっきさー…」

杉本がそこまで言いかけた時、

「あの、佐竹さん…!」

名前が聞こえたほうに目をやると、そこには不安そうな表情をした松野さんが立っていた。
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