隣の席の佐竹くんには…
「あっあの、なんかすみません!頼れる人が佐竹さんしかいなかったものですから…」

「ううん。教えにきてくれてありがとう」

「あ、いえ…!」

松野さんは謙遜したように答えたあと、視線を下へ落として不安な表情を浮かべた。

「私も…様子見に行ってきます。心配ですし…もし、勘違いでも申し訳ないので…」

「オレも行くよ」

「あっ…では、一緒に行きましょう」

「杉本ごめん。もし先生に聞かれたら適当に理由言っておいてくれる?」

「了解ー!」




…——その場に残された杉本が、軽く手を挙げながら三人を見送る。

「はぁ〜。青春してるって感じでいいねぇ」

噛み締めるように呟いて、開いたドアから見える校庭の景色に目をやる。

さっきまで晴れていた空は、雲で覆われていた。

(…さっきの子、なーーんか引っかかるけど。ま、深読みしすぎかな)

鼻から丸めたティッシュを引き抜いてみるが、ダラリと血が伝う。

(ダメだ、止まんねー…トイレ行こ)

「嘘が裏目に出ちゃったかなぁー」

そんな独り言を呟きながら杉本も列を離れた。

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