隣の席の佐竹くんには…
★七恵side★


梅と別れた後、トイレに直行した。

(ライト君カッコよかったなぁ。今日もメールしちゃおうかな)

鏡にウキウキ気分な顔を映しながら、サッと首回りの汗を拭く。

(…あ。目元がちょっと崩れちゃってる…)

目元を整えようと、食い入るように鏡を見ていると、トイレに女子五人組が入ってきた。

クスクスと笑い声が聞こえてくる。

…なんか嫌な感じだなー。

チラッと鏡越しから、女子たちのほうを見ると、こっちを向いていた。

……私を見て笑ってる?

「なに?」

そう尋ねると、一人の女子が言う。

「桜井さんは、そんな気にしなくても大丈夫なんじゃないかなーと思って。可愛いんだし」

「たしかにー」

言葉は褒めているのに、表情と声色は全然そういう感じじゃない。

五人組に意地悪い表情は、楽しんでいるようにも見えた。

…やだなぁ。
久々に感じるなぁ…。

この不快感…

心の中でため息をついて、女子たちに向き直る。

「大丈夫ってなにが?」

「あっ、ごめんね?気にしなくても男子たちなんか簡単に撃ち落とせるんじゃないかなーって」

「なにそれ…」

人をハンターみたいに言って。

狙ってる相手なんて、一人しかいない。
< 187 / 315 >

この作品をシェア

pagetop