隣の席の佐竹くんには…
突然の謝罪の言葉に、うっとりとしていた松野さんの瞳は落ち着きを取り戻した。

「どうしましたか?なぜ、謝るのです?あ、もしかして、ここまでの道のりに時間がかかってしまったことにー…」

「そうじゃないよ。オレの気持ちは松野さんが思ってるのと違うから」

徐々に松野さんの表情から威力が落ちていく。

「それは…どういう、意味でしょうか…?」

「そのままの意味だよ。オレ、松野さんと付き合いたいとか思ってない」

その言葉に一瞬、松野さんは呼吸が止まったかのように表情を固まらせた。

けど、すぐに"冗談"とでも言うようにフッと笑いをこぼす。

「佐竹さんてば…それ、笑えないです。もしかして、まだ土屋君と仲良くしてたことに怒ってます?それとも私が女子たちに嫌がらせされると思って心配して…」

「違うよ。本音だよ」

「本音?だって私たち両想いですよね?今以上の関係を望んでいたのでしょう?」

「オレ、松野さんに下心なんか全くないよ」

一度、呼吸を整える。

「…だって、松野さんのこと好きじゃない」


「えっ…」

とうとう松野さんの瞳から威力が消えた。

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