隣の席の佐竹くんには…
視界がグラグラと揺れるような感覚に襲われるのと同時に、過去の記憶が蘇る。

(あの時みたいに…また同じことになるのか…?)

……怖い。


「そんな簡単に…死ぬとか言うなよ…」

「だって…そのくらい佐竹さんのこと…っ」

動揺しながらも、松野さんに訴えかけるように、必死に視線を向ける。

ゆらゆらと視界が揺れる中に、諦めたように視線を落とす松野さんが映った。

息が、浅くなる。


「今、受け入れてくれないのであれば、私…これから屋上に行きます」

「は…っ?」

「この辛さから解放されたい。だから、今日で終わりにします」

「なに言ってー…」

「佐竹さん……さようなら」

そう言って、松野さんはくるりと踵を返すとドアの方へと歩き出す。

その瞬間、ヒュッと喉が狭まった。


「待って…っ!!!」

顔を下へ向けたまま、慌てて松野さんの手首を掴む。

浅い呼吸しかできない中、どうにか言葉を絞り出す。

「……わかったから…受け入れるから。死のうとしないで」

震えが止まらないでいるオレの手に、松野さんはそっと手を添えてくる。


「…わかりました。死ぬのはやめます」

その言葉に、恐る恐る顔を上げる。

「佐竹さん、これからよろしくお願いします」

ニッコリと微笑む松野さんの表情を見つめながら、脳裏に浮かんでいるのは梅沢さんの姿。



…ギュッと、目を閉じた。



テレビのコンセントを無理矢理引き抜くように、脳裏に浮かぶ画面を消した。

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