隣の席の佐竹くんには…

第18章 輝きの温度差

佐竹君と松野さんが恋人同士になった。

学校中、その話で持ちきりだった。

数日経った今でも、その現実を受け入れることができなくて。

ショックを通り越して、足がちゃんと地面についていないような、不安定な感覚の中にいる。

まだうまく息ができない気がする……


…球技大会のあの日。

しばらくして教室に戻ってきた佐竹君にライトが問う。

『ミツ!松野って子と付き合ったって聞いたけど本当なのかよ?』

『…うん』

『そ…っか。おめでとう…でいいのか?』

言葉の代わりに、佐竹君は少しだけ笑みを返す。

『ライトはどうなの?』

『え…っ!?っと…、付き合うことになった』

『良かったな!おめでとう!』

そう言って、佐竹君はライトに笑顔を見せた。


佐竹君の口から否定の言葉が出たらいいのに…。

そう、密かに願った思いは見事に裏切られた。

ショックで涙が出るかと思っていた。

けど、不思議と出てはこなかった。


悲しい気持ちは、確かにあったはずなのに…。

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