隣の席の佐竹くんには…
松野さんが目の前まで歩み寄ってくる。

「並ばずここに一人で立ってどうしました?買いにきたのではないのですか?」

「まぁ、そうなんだけど…」

…なに、この子。

前に会った時は、私と目を合わせようとしないし、話そうともしなかったのに。

周りが言うように”彼女アピール“をしてるのだろうか。

…はぁ。
この状況、嫌だな。

スッと目を逸らし、顔を俯かせる。


「…梅沢さん。もしかして、体調悪いの?」

そう言って、焦るように佐竹君が顔を覗き込んできた。

(え…)

突然のことで、頭の中が整理できない。

「……あ、えと。…大丈夫」

どうにかそう答えると、佐竹君は一瞬ハッとした顔を浮かべると、すぐに平然さを取り戻すように直った。

「それならいいんだけど」

「……」

淡々と言い放つ佐竹君。

どことなく、冷たさも感じた。


…だけど、深い意味を探してしまいそうになる。

そんな優しさを見せるのは、やめてほしい…。

「さ、佐竹さん!先輩は大丈夫との事なので、そろそろ行きましょうか!」

焦るように松野さんが佐竹君を急かしていると、

「ミャーちゃんっ!」

その場の雰囲気に、につかわしくない土屋君の声が聞こえてきた。
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