隣の席の佐竹くんには…
松野さんは、人影のないところまで移動すると、踵を返して向き直る。

そこには、ニッコリと笑顔を浮かべている。

「梅沢先輩、体調の方は本当に大丈夫だったんですか?」

「えっ…?」

「お昼休み、佐竹さんが心配されてたから」

「あ…うん。大丈夫だった…けど?聞きたいことってそれ?」

「えっと、あの時…体調悪そうな演技されたんじゃないかなって気になったもので」

「は…?そんな事してないけど」

私…そんな風に見えたの?

あの時、自分がどんな行動した?

思い当たる節がなさすぎる。


「…松野さん、なにが言いたいの?」

「先輩が、佐竹さんの気を引こうとしてるんじゃないかなって思ったんです」

「だから、そんな事してないって」

流石にイラついて、言葉の語尾が強くなる。

「じゃあ…単刀直入に聞きますね」

松野さんは一歩、距離を詰める。

まるで、仕留めようとしているような、そんな目でジッと見つめてきた。

「梅沢先輩は佐竹さんのこと好きなんじゃないですか?」


その問いに、一瞬だけ呼吸が止まる。

でも、ここで誤魔化しても仕方ない。



…嘘は、つきたくない。

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