隣の席の佐竹くんには…
♢♢♢



どのくらい経ったかわからない。

隣に土屋君がいても、構わず泣いた。

涙を流しても、心は晴れることはなくて。

それでも、少しずつ意識が隣に向けるようになったところで、ようやく涙が止んだ。

「…なんか、付き合わせちゃってごめんね…土屋君」

「謝らないで。オレがいたいから、いるだけだよ。あ!それとも邪魔だった?」

そう言って土屋君は慌てふためく。

いつものヘラッとした空気を感じない。

土屋君て、意外と普通の反応もできるんだ…。

そんな土屋君の姿を見ていたら、少しだけ心にゆとりができた。

「……ちょっとだけ思った」

「マジか!ごめん!!」

「嘘だよ」

冗談を言って、揺れそうな心を誤魔化す。

すると、土屋君が「ぐぐぐ…」と何かに耐えてるようなうめき声を上げ始めた。

しっかりと隣に目を向けると、土屋君は頭を垂れ下げて、こっちに右手を突き出している。

その右手の腕を左手で力一杯抑えている。

「なに…してるの?」

「オレの手がミャーちゃんを抱きしめたいって言っている」

「……」

「でも、それはいけないと思うので、我慢します…」

そう言って、ぎこちなく手を引っ込めた。
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