隣の席の佐竹くんには…

第20章 言語化×具現化=解毒

♦︎佐竹side♦︎


ほどなくして、姉の秀夜が迎えに来た。
車の後部座席に乗り込むと、反射的に体が強張る。

「…ねぇちゃん、安全運転してよ」
「いつもしてるでしょ。安心しなさいって」

安心できないから言ってるんだけどな…。

はぁ…と、息をつくと、ミラー越しに姉と目が合う。

「…倒れたんだって?大丈夫なの?」
「ん…。ちょっと疲れが溜まってただけ」

そう言うと、姉は深いため息をついた。

「頭打ってんだから、とりあえず、このまま病院には連れてくからね。何ともなかったとしても、明日は学校休みなよ」

「…うん…」

気のない返事をするオレに、再び姉は呆れたようにため息をついた。

「それにしたって、疲れすぎじゃない?また、なにか抱えてるものがあるんなら、今すぐここでお姉さまに吐き出しなさい」

フイッと窓の外に目をやる。

「…ねぇちゃんに吐き出したところで、解決しないことだから」

「そういうところ!そういう時はね、とりあえず、頭にあるものを言葉にして吐き出せばいいの。全部話そうと思わなくても、その一部だけでいいんだから」

「ねぇちゃん、いつも母さんに愚痴ってるもんな…。一部どころか全部」

そうそう!と、切れ長の目をシュッと細めて笑う姉。
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