隣の席の佐竹くんには…


…———

電車通学である松野を駅まで送っていく佐竹の姿を、遠目で見つめる一人の女子がいた。

(…—あれ?ミツ…くん?)

佐竹の隣には小柄の可愛らしい女の子がいる。

(彼女…かな?)

女の子は嬉しそうな顔をしてるのに、ミツ君は笑っているようで笑っていない、そんな顔を浮かべている。

瞳の奥に感情がないような、そんな表情。

(前はあんな顔してなかったのに……苦しそうに見える)

女子は無意識に自分の腕をそっと抱えた。

「……」

ひとしきり二人の姿を見ていると、

「リナ、どうしたのー?置いていくよー」

友達の声にハッとして向き直す。

「なんでもなーい」

そう言って、もう一度、佐竹の方に視線を向けてから、友達を見る。

「あっ、ちょっとー!本当に置いていこうとしないでよー!」


リナと呼ばれた女子は、友達の方へと走っていった。


———…
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