隣の席の佐竹くんには…
「お兄さん、ずっと川の向こう眺めてたから。その姿がなんか気になっちゃって…。話、聞きましょうか?」

他人に声をかけるなんて優しい子だな。

男子の表情は、ヘラッとした柔らかいもので。
どことなくさっぱりとした物腰に、自然と気が緩む。


誰かに吐き出したい気持ちがあったのかもしれない。

んー…と、少し頭の中を整理していると、自然と口が動いていた。


最近、ある子に対して特別な気持ちに気づいたこと。
自分を好きだと告白してきた相手に脅されていること。
好きな人がある男子と距離が近くなっていて嫉妬してしまうこと。
好きな人との時間を大事にしたいこと。

そして、それが自分の過去のトラウマが邪魔していること。

これまで、頭の中でずっと考えていたものを、全て言語化して吐き出した。

男子は話の節々で、相槌を打ったり、驚いた表情をしたりと、最後まで聞いてくれた。
< 261 / 327 >

この作品をシェア

pagetop