隣の席の佐竹くんには…
フッと、笑いが込み上げてきた。

「満たして大事にしてくよ」

「それが良いです!…まぁ、オレにとっては、このジュースの中身は大事なものだったんですけどね…」

多分、ほとんど飲まずにこぼしてしまったんだろう。

男子は、悲しそうな顔を作ってみせた。

「話聞いてくれたお礼にジュース買うよ」

「あ、それ。お兄さんの弱点!そんな優しさ彼女に見せたら、また飲まれますよ。好きな人で満たしたら、今度はガチガチにキャップしておいたほうがいいですよ」

「ははっ。ちゃんと締めておくよ」

お互いに笑顔を向かい合わせる。

「君は今、悩み事ないの?」

聞いてもらったお礼を兼ねて話を振ってみると、男子は悩めかしい声を上げた。

「今、中三なんで受験のことで悩んでる最中なんです。オレ、勉強めっちゃ嫌いなんですよねぇ…」

「あー…、ちょうど悩む時期だね」

「ニ個上にねぇちゃんがいるんですけど、たまに勉強教えてくれるけど全然頭に入ってこなくて。オレのねぇちゃん、無表情で圧かけてくるから怖いんですよ」

無表情という単語に、ふと、梅沢さんの顔が脳裏に思い浮かんだ。

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