隣の席の佐竹くんには…

第22章 文化祭のお姫様

♦︎佐竹side♦︎


文化祭は、二日間。

一日目は生徒だけの、少しだけ気の緩んだお祭り。

二日目は一般公開で、学校は外の世界へと開かれる。

まだ“身内の祭り”のはずの一日目だというのに、校舎の中はすでに人と声と熱気で溢れ返っていた。

まさか、当日になって客引きをやらされるとは思っていなかった。


「佐竹、お前が外に立つだけで人が集まるから」

クラスの男子にそう言われて、お化けの衣装を着せられ、半ば強引に外へ押し出された。

少し長めの前髪を横にかき分け、隠れたその顔は、クラスメイト曰く、妙に“それらしく”見えてしまうらしい。

鏡で見た瞬間、あの頃に戻ったような気がして、一瞬だけ手が止まった。


だけど、今は違う。

前髪の奥に顔を隠していたあの頃とは、もう違うんだから。


「いらっしゃいませ……」

棒読みで言ってみると、通りかかった女子たちが一斉に足を止めた。

「えっ…ヤバ…!カッコいいんだけど」

「入る入る!」

「入ったら一緒に写真いいですかぁ?」


女子の群れが、自然と集まってくる。
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