隣の席の佐竹くんには…
♦︎佐竹side♦︎


「この衣装どうですか?魔物をコンセプトにしたらという佐竹さんの案で、この衣装に決めました!」

フリフリの衣装を揺らしながら、松野さんが嬉しそうに言った。

「これが魔物の衣装なの?」

「違いますよ!魔物の衣装は男子たちが着てるんです。女子は姫役ですよ」

「そうなんだ」

それにしても…派手な姫だな。

ある意味、戦闘能力高そうに見える。


松野さんのクラスに着くと、すぐに違和感を感じた。

「あれ…?他の子と衣装違う…?」

松野さん以外の女子たちは、スカートの裾に軽くフリルが付いた程度で、至ってシンプルな衣装。

松野さんは、少し照れた調子で言う。

「佐竹さんに見てもらいたくて…気合い入れちゃいました」

シンプルな衣装の女子に、派手な衣装の松野さんを交互に見る。

もはや、このクラスのボスにしか見えなかった。


自分の主張ばかりの松野さんに、ため息が出そうになる。


(……オレのこと、本当に何も見てないんだな)


その事実が、今はもう、ただただ虚しい。


< 304 / 342 >

この作品をシェア

pagetop