隣の席の佐竹くんには…

第24章 覚める心

◾️松野side◾️



佐竹さんの口からこぼれ落ちた女の名前。

……えっ?

眉が、ぴくりと動いた。

「……」
「……」

黙ったままの二人。

だけど、知らない関係性が、目の前にある。

それだけで、得体の知れない焦りが込み上げてきた。

「…久しぶり、だね?」

「うん…そうだね…」

リナという女子に、佐竹さんはぎこちなく答える。

少し、動揺しているようにも見える。


「隣の子は…ミツ君の彼女さん?」

「あ…いや…」
「はい!そうです!!」

自信たっぷりに堂々と言い切った。

(この女は…佐竹さんとどんな関係なの…?)

警戒するように視線を送ると、リナは苦く笑いながら視線を逸らす。


「佐竹さん、そろそろ行きましょう!」

佐竹さんの腕を引っ張り、踵を返したところで、

「…あっ!待って!」

リナが呼び止めてくる。

「なんでしょうか?」

「あの…」

リナは一度、言葉を飲み込む。

「彼女さんには悪いんだけど、ミツ君に話したいことがあって。少しだけ話す時間くれないかな?できたら落ち着いた場所でちゃんと話したいんだけど…」

はぁ?……なに、この女。

図々しい。

話なら、この場でしなさいよ。

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