隣の席の佐竹くんには…
□土屋side□



佐竹先輩がミャーちゃんの手を引いて走り去っていく姿が見えなくなるまで、ぼんやりと目で追っていた。

「…はは」

小さく、苦い笑いがこぼれる。

(…あーあ。オレは勇者役じゃなくて、モンスター役で終わったかぁ…)

でも…
結果的には良かったんだ、これで。


そもそも松野ちゃんと手を組んだのは、あの瞬間からだった。

ミャーちゃんと佐竹先輩が笑いながら廊下を歩いているのを見た時の松野ちゃんの表情。

あれは、まずかった。

ただの嫉妬じゃなくて、もっと剥き出しの、危ない目をしていた。

ミャーちゃんに危害があったらまずいと思って、オレの側に置いて様子を見ようと思った。

それに、佐竹先輩がどう動くかも試してみたかった。

ミャーちゃんの前で松野ちゃんにキスされそうになったら、佐竹先輩が動くかどうか。

もし、佐竹先輩が松野ちゃんを受け入れたとしても、ミャーちゃんが諦めるきっかけになるんじゃないかな…なんて思ったり。

ミャーちゃんには悪いけど、オレは後者の展開を望んでたんだけどね。

だけど、松野ちゃん…
佐竹先輩のこと繋ぎ止められなかったんだな。

…そりゃそうだよな。

ミャーちゃんにあんなに敵意剥き出しで、自分のことしか見えてなかったんだから。


結局、自滅したんだろうな、きっと。


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