隣の席の佐竹くんには…

(…とりあえず、ミャーちゃんに何も危害がなくてよかった)

ホッと息をついたところで、ふと気づく。

……いや。
最後の最後で、オレが危害加えてたわ。

(キスしてって…なに言ってんだオレ!)

どうにかミャーちゃんをオレの側から離れないようにしようと必死で、咄嗟に思いついたのがあれだった。

結局、オレの理性がダダ漏れただけじゃん!!

いや、でも、そうでも言わないとミャーちゃんを繋いでおくのは難しかった。

ちゃんとパンの代金を払うような人だもんな、ミャーちゃんは。

はぁ…勢いで慣れないことはするもんじゃないな。

悪役は、オレには難しすぎた。

最後の最後で怖い思いさせちゃったの、ちょっと心残りだけど…

まぁ。

松野ちゃんから守れた、ってことで良しとするか。


腰に付けていた剣を握って、ぶんっと一回振ってみる。


「…モンスター役、完。」


誰に届くでもなく、そう呟いた。


モンスター衣装のまま、剣を握りしめて、自分の教室へと向かった。


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