隣の席の佐竹くんには…
第26章 解放の先に
引かれるがままに辿り着いたのは、図書室だった。
文化祭中は使用されていない、唯一静かな場所。
ガヤガヤとした賑わいの音が、扉一枚隔てただけで、ずいぶん遠くなる。
「……あ、あの…佐竹君?」
手を引かれたまま、戸惑いながら名前を呼ぶ。
佐竹君は、扉の前で立ち止まると、ようやくこちらを向いた。
お互いに息が整わないまま、視線が交わる。
「…いきなり、ごめんね」
「なにかあったの…?」
焦りや余裕のなさが、そのまま伝わってきて、心配になった。
もしかして、他校の女子にでも追われてた?
いや、でも、最強の盾のような存在の松野さんがいるんだから……
……あれ?
「松野さんは…どうしたの?」
その問いに、佐竹君は、ふぅ…と息をつき、呼吸を整える。
「さっき…別れてきた」
「えっ!?」
急展開すぎて、驚きの声しか出せなかった。
「ていうか…オレは付き合っていたつもりはなかったんだけど…」
言葉を選びながら、佐竹君はぽつりぽつりと話す。
「色々あって…付き合わないといけなくて…全部を説明すると長くなっちゃうんだけど…」
「…うん」
「とにかく…松野さんとは、もうなんでもなくなった」
「……そう、なんだ」
二人は付き合ってなかったんだ…。
その事実に、どう反応していいかわからず、曖昧に頷く。
喜んでいいのか、戸惑えばいいのか、感情がうまく整理できない。
それでも、目の前でどこか余裕がない中にも、熱が籠った瞳を揺らしてる佐竹君をみて、胸の鼓動が早くなる。
沈黙が落ちる。
やがて、佐竹君が静かに名前を呼んだ。
「梅沢さん」
「…は、い」
「オレ…ずっと伝えたかったことがあるんだ」
心臓が、大きく跳ねた。
佐竹君の言葉に、期待してはいけないと、何度も自分に言い聞かせてきたはずなのに。
体が、勝手に緊張していく。
文化祭中は使用されていない、唯一静かな場所。
ガヤガヤとした賑わいの音が、扉一枚隔てただけで、ずいぶん遠くなる。
「……あ、あの…佐竹君?」
手を引かれたまま、戸惑いながら名前を呼ぶ。
佐竹君は、扉の前で立ち止まると、ようやくこちらを向いた。
お互いに息が整わないまま、視線が交わる。
「…いきなり、ごめんね」
「なにかあったの…?」
焦りや余裕のなさが、そのまま伝わってきて、心配になった。
もしかして、他校の女子にでも追われてた?
いや、でも、最強の盾のような存在の松野さんがいるんだから……
……あれ?
「松野さんは…どうしたの?」
その問いに、佐竹君は、ふぅ…と息をつき、呼吸を整える。
「さっき…別れてきた」
「えっ!?」
急展開すぎて、驚きの声しか出せなかった。
「ていうか…オレは付き合っていたつもりはなかったんだけど…」
言葉を選びながら、佐竹君はぽつりぽつりと話す。
「色々あって…付き合わないといけなくて…全部を説明すると長くなっちゃうんだけど…」
「…うん」
「とにかく…松野さんとは、もうなんでもなくなった」
「……そう、なんだ」
二人は付き合ってなかったんだ…。
その事実に、どう反応していいかわからず、曖昧に頷く。
喜んでいいのか、戸惑えばいいのか、感情がうまく整理できない。
それでも、目の前でどこか余裕がない中にも、熱が籠った瞳を揺らしてる佐竹君をみて、胸の鼓動が早くなる。
沈黙が落ちる。
やがて、佐竹君が静かに名前を呼んだ。
「梅沢さん」
「…は、い」
「オレ…ずっと伝えたかったことがあるんだ」
心臓が、大きく跳ねた。
佐竹君の言葉に、期待してはいけないと、何度も自分に言い聞かせてきたはずなのに。
体が、勝手に緊張していく。