隣の席の佐竹くんには…
「梅沢さんといる時が、すごい楽しくて…ちゃんと息ができてる気がしてた」

「……」

「松野さんと一緒にいる間も、ずっと…梅沢さんのことばかり考えてた」

「……」

「自分勝手なのはわかってるんだけど…ごめん」

真っ直ぐな目で見つめられる。
逃げ場なんて、どこにもないくらいに。

「梅沢さんに好きな人がいたとしても…」

一度、言葉を切る。

「今、梅沢さんを困らせたいって思ってる…」


……そんなの、ずるい。


「オレ……梅沢さんが、好きなんだ」


図書室の静けさの中、その言葉だけが、はっきりと響いた。

一瞬、時間が止まったような感覚だった。


…嬉しいのに、嬉しすぎて、うまく言葉にならない。

佐竹君は熱を帯びた瞳を向けたまま距離を縮めてくる。

「少しでも梅沢さんに入りこめる隙があるなら、入れてほしい。オレのこと、意識してほしい…」

そう言って、私の袖をそっと掴んできた。
その瞬間、ようやく実感が追いついた。

視界が、じわりと滲む。

「……あっ、ごめん!オレ、今、焦りすぎてすっっごい気持ち悪いこと言ったかも!」

パッと袖から手を離して、今度は顔を青ざめさせて慌てふためく佐竹君に、首を振る。

フッと、自然と笑みがこぼれる。

「私も……佐竹君のこと好き」

言葉にした瞬間、胸の奥にずっと溜まっていたものが、すっと軽くなった。


「…えっ?」

そう呟いて、今度は佐竹君が時間が止まったように固まっている。


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