隣の席の佐竹くんには…
佐竹君が、渋々とお化けの衣装を着ている中、控え室に七恵とライトが戻ってきた。

「あ、梅、戻ってきてたんだね。土屋君と周ってたの見たよー」
「あーっ…と…」

言葉にフィルターをかけずに口にした七恵に焦ったが、七恵の口を思い切り塞いでいる姿を、脳内で想像するしかできなかった。

弾かれるように佐竹君の視線が刺さったと思ったら、衣装を中途半端に着たままでこっちに近づいてきた。

「梅沢さん…やっぱり土屋と周ってたの?」

「えぇー…っと…?」

拗ねてる顔をした佐竹君の視線が痛い。


なにこれ。

なんか、浮気してたみたいな感じになってない?

返答にドギマギしていると、七恵が目を丸くして、私と佐竹君を交互に見る。

「えっ…?なに、この空気感?もしかして……」

「梅沢と付き合うことになったか?」

七恵の言葉の先をライトが続けて言う。

佐竹君と顔を見合わせると、お互いに頬を赤く染めて意味ありげに笑った。

そんな様子に、七恵は両手で口を覆いながら目をうるうるさせた。

「…梅ぇ…」

「ちょ…七恵、泣かないでよ」

「だって…!ずっと応援してたんだもん…!!」

じわっと滲む涙を必死に抑えようとしている七恵に、思わず笑ってしまった。

「ありがとう、七恵」

「もぉーっ…。よかったねー梅ぇ。ちょー嬉しい!!」

ギューっと私をハグしてくる強さに、だいぶ痛さを感じるけど、自分のことにこんなに喜んでくれる七恵に嬉しさのあまり泣きそうになった。

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