隣の席の佐竹くんには…
「松野さん…今、自分と向き合ってるみたい…って土屋が言ってた」

ある日の帰り道、隣を歩く佐竹君が言った。

その話題を出すことに、少しためらいがあったのか、声色には複雑さが混じっている。

「そっか…」

松野さんが、佐竹君を好きって気持ちが止められない気持ちは、よくわかる。

自分もそうだったから。

きっと、松野さんなりに必死だったんだと思う。


だとしても、佐竹君の心が抑圧されるような言葉を使って縛り付けていた松野さんには、正直、同情できないけど。


そんな松野さんは、今、部活を無期限で休んでいるらしい。


校内では彼女を避けるような冷ややかな視線が向けられているようだ。

< 345 / 358 >

この作品をシェア

pagetop