隣の席の佐竹くんには…
「………」
「どうしたの?」
不自然に無言になってしまった私に不思議に思ったのか、佐竹君が顔を覗き込んでくる。
「……ううん、なんでもない。ていうか、さっきからテルの名前ばっか出てるけど、いつのまにそんな仲良くなったの?」
「仲良くなってないから!廊下で会った時に、毎回あいつが絡んでくるだけだから!会うたびに、梅沢さん泣かせたら、オレが奪いに行くんでって煽ってきて、しつこいし」
必死に否定する言い方に、思わず笑ってしまった。
佐竹君、可愛いな。
「一応、テルなりに心配してくれてるんだろうね」
「それは…なんとなくわかるんだけど。でも、どうしても土屋の言葉を素直に受け取れない…」
複雑な顔色の中に少しだけ照れ要素を浮かべて、髪の毛をガシガシと乱す佐竹君に、また笑ってしまった。
(テルには助けてもらってばっかだな…)
夕焼けが少しずつ薄れていく様子を見ながら、テルには幸せになってもらいたいなと密かに願った。