隣の席の佐竹くんには…
街路樹を抜け、視界が広くなったところで、キッチンカーに目が止まった。
そこで私はミルクティー、佐竹君はコーヒーを買うと、手を温めながら歩き出す。
そういえば、この道…一度、佐竹君と歩いたところだ。
この先を、少し歩いて右へ曲がったところに、“あの公園”がある。
ライトに呼び出されたかと思ったら、髪をばっさりと切った佐竹君と会った、あの公園。
あの時の衝撃は、今でも忘れられない。
学校に近づくにつれて、佐竹君はそわそわし始めてたっけ。
そこから、彼の日常がガラリと変わったんだ。
チラッと、隣を歩く佐竹君を見上げる。
(あの時と、随分、見る景色が変わったなぁ…)
私と佐竹君の距離がこんなに近くなる日が来るなんて、想像できなかった。
ふと、佐竹君と目が合う。
「梅沢さん、まだ時間平気?」
「うん。まだバスが来るまで時間あるから大丈夫だよ」
「じゃあ、それまであそこの公園で少し話さない?」
「うん。私も同じこと思ってた」
視線を交わせ、笑顔で会話する。