隣の席の佐竹くんには…
「この弁当、桜井が作ったの?」

「ふぇ…っ!?う、うんっ」

「すげー!!」

「っっっ!!」

ボワッ!と、マッチに火が着いたかのように、七恵の顔が真っ赤になった。

今、七恵の心臓は盛大に爆発しているに違いない。


よし。
接点を作ってあげよう。

「1つもらってみたら?特に今日のお弁当は縁起がいいらしいから」

「なんだよ、それ。ちょっと気になるじゃん」

と、ジーッと食べたそうにお弁当を見つめるライト。

「えっ…と、食べる?」

「食べたい!」

「どれがいい…?」

「えー…どれにしよっかなぁ。卵焼き気になる」

体をガチガチにさせながらも、ライトとやり取りを進める七恵の表情は幸せそう。

七恵は卵焼きを取り、ライトの手のひらに乗せようとしたのだろうけど、彼は箸ごと卵焼きに食らいついた。

七恵は完全に硬直してしまい、これ以上は心臓がもたなそうだ。


良い仕事したなーなんて、思いながらも、ライトの意識をこちらに向けさせる。

「ところで、なにか用でもあるの?」

「用っていうか、佐竹が気にしてたからさ。梅沢の様子がいつもと違うって」

「!!!」

墓穴を掘ってしまった。

「だから、調査しにきたってわけよ。随分探したぜ」

「いや、わざわざ探しに来ないでよ」

「友達が気にしてんのに大人しくしてられるかよ。なぁ、桜井ー」

七恵はライトの言葉に激しく頷きを返すと、

「好きな人の前だから緊張しちゃってるだけなんだよ。ねっ、梅!!」

見事に口を滑らせた。


ちょっとーーー!!!

数秒して自分の発言に気づいた七恵は、慌てて手で口を覆った。


もう、口から出ちゃってるから!
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