隣の席の佐竹くんには…
☆ライトside☆



「…あれ?梅沢は?」

気づいたら梅沢の姿が消えていた。
桜井もそれに気づくなり、慌ててあたりを見回す。

「梅ぇ〜」

急に困ったような顔を浮かべる桜井。

…二人きりになって不安になったのか?

さっきまで普通に話してたんだけどな。

最近、桜井も態度が変わったなって感じてたんだけど…

この感じ…オレのことは警戒してるよなぁ。

この見た目だからなのか?
こういう人種、苦手そうだもんな。

ちょっと、傷つく。

…中身と見た目、全然違うんだけどな。
…うーん、まいったな。

急に気まずい空気が流れる。

「あー…っと…オレ、そろそろ教室戻るね」
「えっ…!う、うん…」

少し目を落とし気味で答える桜井に、軽く手を挙げて踵を返す。


「あ、あの!ライト君っ…!」

すぐに名前を呼ばれて振り返る。

目があって桜井の口元が開きかかったところで、別の声が割り込んできた。

「いたいた。響!」

「…げっ」

塚本先生。

「げ、じゃないだろう。放送で呼んでも全然来ないから、逃げたのかと思ったぞ」

「逃げませんて。今逃げたいけど」

はぁ…と、塚本先生は呆れ顔をすると、チラリと桜井を確認する。

「全くお前は。佐竹といい…桜井にも絡んでるのか?」

…また、これだ。


“桜井にも”という一言に、密かに拳に力が入った。
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