隣の席の佐竹くんには…
「桜井とはフツーに他愛のない会話してただけっすよ。んで、何度も言ってるけど、佐竹とはフツーに友達」

先生すら疑いの目をもち、中身を見てはくれない。
ただでさえ嫌なのに、桜井の前でこの話するのやめてほしい。

「先生、誤解してます!」

突然、桜井が叫んだ。

驚いて見ると、顔を真っ赤にして真剣な目で先生を射止めていた。
そんな桜井の様子に塚本先生はキョトン顔。

「私がライト君に絡もうとしてたんです!」

「「へっ?」」

思わず、先生と気の抜けた声が重なった。

桜井…なに言ってるんだ?

でも、握りしめていた拳が、自然とほどけていた。

「ライト君と応援団組んだから、それで…」

「応援団??」

そう言って首を捻る塚本先生に、桜井は一瞬、ヤバい!と言いたげな顔をした。

「えっ、と…そう!あと少しで球技大会があるじゃないですか。その応援団ですっ!!それで、ライト君と連絡取り合えたら良いなって思って聞こうと思ってたんですっっ!」

あまりの勢いに塚本先生は「お、おう…」とたじろいでいる。

しかし、桜井の勢いは止まらない。

「それに先生!ライト君と佐竹は本当に友達です。先生が中身を見ないでどうするんですか!」

(…っ)

目のあたりが少し熱くなった。


「そ、そうだよな。先生が悪かった。…響、とりあえず、また後でオレのところに来い」

「わかってますって」

戦に負けたような空気を漂わせて戻っていく塚本先生の後ろ姿を見送ると、

「…わぁああぁ!初めて先生に反抗しちゃったよ。退学かなぁ!?」

そう言って桜井は慌て出した。

さっきの勢いはどこ行った?

「ふはっ!」と、思わず笑いを吹いてしまった。
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