今日の恋、予報します。

快晴、君の好きな人

 それから、二週間が経った。


 あの不思議な《恋愛天気予報》は、あれ以来、一度も届いていない。


 ……でも。


 私が「今日は来ないんだ」と思った頃に限って、突然届く。


 そんな感じだった。


 規則性はない。


 毎日でもない。


 忘れた頃にやってくる。


 だからこそ、朝起きて通知が来ていると、ちょっとだけ期待してしまう。


 今日もそうだった。


 ――ピコン。


 「……来た」


 ベッドの中でスマホを開く。



 《今日の恋愛天気予報》

 ☀️ 快晴

 『今日、好きな人と距離が縮まるでしょう』



 「…………」


 距離が、縮まる。


 その一文をじっと見つめる。


 「……また?」


 今までの予報を思い返す。


 名前を呼ばれた。


 視線を感じた。


 嫉妬した。


 そして今日は――距離が縮まる。


 「……いやいや」


 私はスマホを伏せた。


 「期待しちゃダメ、期待しちゃダメ」


 そう言い聞かせる。


 だって、前回もそうだった。


 「今日は嫉妬するでしょう」なんて予報を見て、一日中そわそわして。


 結果。


 めちゃくちゃ嫉妬した。


 ……うん。


 それはそれで当たっていたけど。


 でも、だからって。


 「距離が縮まる」なんて言われたら。


 そりゃ、ちょっとくらい期待する。


 「…………」


 私は布団の中で顔を覆った。


 「何を期待してるの、私……!」


 まったく。


 恋愛天気予報なんてものに振り回されている場合じゃない。


 そう思いながらも。


 学校へ向かう足取りは、いつもより少し軽かった。



< 6 / 16 >

この作品をシェア

pagetop