とっても優しい幼馴染が塩対応になっちゃった

止まらないナンパ

「うわっ、まぶし……!」

海の家に併設されたプライベートビーチに近い砂浜。


舞の眩しい白ビキニ姿と、パレオを脱ぎ捨てざるを得なくなったあゆなの黒ビキニ姿が、一瞬で周囲の視線を引きつけた。

特に、サイズが小さめな黒ビキニに包まれたあゆなのグラマラスなスタイルは、身長145センチという小柄な童顔ルックスとのギャップもあり、砂浜を歩く男たちの目を釘付けにするには十分すぎた。

「ねえねえ、そこの可愛い子ちゃんたち! これから俺たちと一緒にバーベキューでもどう?」


「お、いいね! そっちの黒髪のコ、めっちゃタイプなんだけど!」

パラソルの下でくつろいでいたあゆなたちの元へ、チャラい雰囲気の大学生グループが早速声をかけてきた。


次々と寄ってくるナンパ男たちに、あゆなは「わっ、あの、私たち連れが……」と、おろおろするばかり。

「ほら、遠慮すんなって! 彼氏なんていないだろ?」


ナンパ男のひとりが、あゆなの細い腕をグイッと掴もうとしたその瞬間――。

「……触んな、クズが」

低く、地獄の底から響くような凍りつく声が降ってきた。


男の手を、ガシッと鋼のような強さで掴み上げたのは、引き締まった細マッチョの体にサングラスを引っ掛けた春樹だった。



腹筋は見事に割れ、圧倒的な185センチの長身が不機嫌そうに仁王立ちしている。

その傍らには、呆れた顔をした祥平の姿もあった。

「はっ? なんだよお前……」


ビビった男たちが春樹を見上げるが、春樹の瞳は怒気と冷徹な光を帯びていて、素人とは思えないほどの凄みを放っている。

「俺の、幼馴染だ。……これ以上その汚い手で触ったら、ただじゃ置かねえよ」

低い声で威圧すると、ナンパ男たちは「なんだよアイツ、ヤバい奴だろ……」と、逃げるようにそそくさと退散していった。

その一部始終を見ていたあゆなは、心臓の鼓動がうるさいほど跳ね上がっていた。


(……いま、「俺の」って言ってくれた……?)

しかし、助けてくれたはずの春樹は、あゆなの露出度の高い黒ビキニ姿(特にパツパツの胸元)を目の当たりにした瞬間、顔を真っ赤にしてフイッとあらぬ方向を向いた。

「っ……だから、言っただろ! なんだその、露出狂みたいな格好は……!」


耳まで真っ赤にしながら怒る春樹の姿に、あゆなは胸をキュンとさせながらも、ふと気づく。


(……あれ? ひょっとして春樹くん、怒ってんじゃなくて恥ずかしいだけ……?)
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