とっても優しい幼馴染が塩対応になっちゃった

ほどけた思い

「はあ……今日もいっぱい泳いだねえ」

すっかり日が傾き、オレンジ色に染まった夕暮れの海岸。


海から上がったあゆなたちは、そろそろ帰りの準備をしようと、海の家のテラス席の近くを歩いていた。


水着の上から羽織っていたパレオの結び目が、砂浜を歩いている拍子にふと緩んでほどけてしまう。

「あっ……」

慌ててパレオを拾おうとかがみ込んだ瞬間、あゆなの頭上にフッと大きなバスタオルがふわりとかぶせられた。

「……バカか、お前は」

振り返ると、そこに立っていたのは春樹だった。


さっきまでの海パン姿から、ラフなTシャツとハーフパンツに着替えているが、引き締まった体躯と整った横顔のカッコよさは隠しきれていない。

「は、春樹くん……?」


「だから、言っただろ。もっと周りに気をつけろっての……」

そう言いながら春樹は、あゆなの肩をバスタオルで包み込み、まるで自分の体に引き寄せるようにぎゅっと包み込んだ。


海の家を行き交う他の男たちの視線が、あゆなの黒ビキニ姿に釘付けになるのを、春樹の大きな体が完全にブロックしてくれている。

あゆなは、背中に回された春樹の腕の温もりと、ふわりと香るシャンプーの匂いに息が止まりそうになった。


(……ねえ、やっぱり優しいよ。全然、塩対応なんかじゃない……)

胸がキュンと甘く疼き、あゆなは思わず春樹のTシャツの裾をギュッと握りしめた。
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