儚く散った初恋は十二年の時を経て芽吹く 〜犬猿の仲だった御曹司と再会したら溺愛されました〜
結月がどういうふうに書こうか考えていると、隣にいる拓真の目から涙がこぼれ落ちるのが見えて、結月はギョッとした。
「は? な、なに、泣いてるのよ!」
「すみません。泣くつもりはなかったんですけど、結月がちゃんと俺の気持ちが届いているって言ってくれたから……嬉しくて」
泣いて喜ぶ拓真に、結月は胸が締めつけられた。
結月が拓真をじっと見つめると、彼が苦々しい表情をしていた。
「あのときどうしてあんなことしたんだろうって……ずっと後悔していました。意地を張らないで、素直に好きだと言えていたら……俺たちは離れても……近況を話したり、たまに帰ってきた結月とどこかに出掛けたり……今でも仲良くできていたのかなとか、よく考えました。俺が間違えなければ、たくさんの思い出を作れたのにって……何度も何度も後悔していた」
後悔の滲む声に、胸が締めつけられる。結月は苦しくて胸元をぎゅっと掴んだ。何も言えないまま、自分の手元を見つめる。
(当たり前だけど、私は拓真くんのほんの一部分しか知らないのよね)
時間とともに考え方も変わる。だからこそ過去の記憶だけでは、その人を知り得ることなんてできないだろう。しかも子どものときしか知らないのなら尚さらだ。
彼と再会してから、結局彼を拒絶できないでいる自分に、結月は苦々しく笑った。
(償いたいとはいうけど……大変なことばかりだと、しんどいわよね)
元々は祖母の手伝いだけだったのに、結月が帰ってきたことで、結月にも気を回さなくてはならなくなった。
結月としては、別にそんなのは望んでいないが、こうして夜遅く帰ってきて、誰かに迎えてもらう温かさに救われていないと言い切れないので、拓真のことを知らないとは言えなかった。
(会社でも、ここでも、きっとすごく大変よね)
過去を償うために頑張る献身的な拓真に、結月は胸が熱くなった。
(私はどうしたいのかしら)
「は? な、なに、泣いてるのよ!」
「すみません。泣くつもりはなかったんですけど、結月がちゃんと俺の気持ちが届いているって言ってくれたから……嬉しくて」
泣いて喜ぶ拓真に、結月は胸が締めつけられた。
結月が拓真をじっと見つめると、彼が苦々しい表情をしていた。
「あのときどうしてあんなことしたんだろうって……ずっと後悔していました。意地を張らないで、素直に好きだと言えていたら……俺たちは離れても……近況を話したり、たまに帰ってきた結月とどこかに出掛けたり……今でも仲良くできていたのかなとか、よく考えました。俺が間違えなければ、たくさんの思い出を作れたのにって……何度も何度も後悔していた」
後悔の滲む声に、胸が締めつけられる。結月は苦しくて胸元をぎゅっと掴んだ。何も言えないまま、自分の手元を見つめる。
(当たり前だけど、私は拓真くんのほんの一部分しか知らないのよね)
時間とともに考え方も変わる。だからこそ過去の記憶だけでは、その人を知り得ることなんてできないだろう。しかも子どものときしか知らないのなら尚さらだ。
彼と再会してから、結局彼を拒絶できないでいる自分に、結月は苦々しく笑った。
(償いたいとはいうけど……大変なことばかりだと、しんどいわよね)
元々は祖母の手伝いだけだったのに、結月が帰ってきたことで、結月にも気を回さなくてはならなくなった。
結月としては、別にそんなのは望んでいないが、こうして夜遅く帰ってきて、誰かに迎えてもらう温かさに救われていないと言い切れないので、拓真のことを知らないとは言えなかった。
(会社でも、ここでも、きっとすごく大変よね)
過去を償うために頑張る献身的な拓真に、結月は胸が熱くなった。
(私はどうしたいのかしら)